電験三種の過去問解説(機械):2019年(令和元年)問4
誘導機の速度制御(穴埋)
次の文章は、誘導機の速度制御に関する記述である。
誘導機の回転
速度n[min-1]は、滑りs、電源周波数f[Hz]、 磁極pを用いてn=120・ \(\fbox{ (ア) }\) と表される。したがって、誘導機の速度は電源周波数によって抑制 することができ、特にかご形誘導電動機において \(\fbox{ (イ) }\) 電源装置を用いた制御が広く利用されている。 かご形誘導機ではこ
の他に、運転中に固定子巻線の接続を変更して \(\fbox{ (ウ) }\) を切り換える制御法や、 \(\fbox{ (エ) }\) の大きさを変更する制御法がある。前者は、効率はよいが、速度の 変化が段階的となる。後者は、速度の安定な制御範囲を広くするた めに \(\fbox{ (オ) }\) の値を大きくとり、銅損が大きくなる。 巻線形誘導機では、 \(\fbox{ (オ) }\) の値を調整することにより、トルクの比例推移を利用して速度を変
える制御法がある。 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(
ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) \(\displaystyle\frac{sf}{p}\) CVCF 極数 一次電圧 一次抵抗 (2) \(\displaystyle\frac{(1-s)f}{p}\) CVCF 相数 二次電圧 二次抵抗 (3) \(\displaystyle\frac{sf}{p}\) VVVF 相数 二次電圧 一次抵抗 (4) \(\displaystyle\frac{(1-s)f}{p}\) VVVF 相数 一次電圧 一次抵抗 (5) \(\displaystyle\frac{(1-s)f}{p}\) VVVF 極数 一次電圧 二次抵抗
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過去問解説
(ア):\(\displaystyle\frac{(1-s)f}{p}\)
誘導機の回転速度n[min-1]は、滑りsと同期速度NS[min-1]より、
\(n=(1-s)N_s\)・・・①式
となります。
同期速度NSは電源周波数f[Hz]と極数pより、
\(N_S=\displaystyle\frac{120}{p}f[min^{-1}]\)・・・②式
となります。
①式に②式を代入すると、
\(n=120・\displaystyle\frac{(1-s)f}{p}\)
と表されます。
(イ):VVVF
・VVVF電源装置:電圧と周波数を自由に可変制御できる
・CVCF電源装置:電圧と周波数を一定にできる
(ウ):極数
(エ):一次電圧
(オ):二次抵抗
誘導機の回転速度は、下記式で求められる。
\(n=120・\displaystyle\frac{(1-s)f}{p}\)
式を見てわかる通り、極数pで回転速度が変化することはすぐにわかります。
滑りsを変化させる場合、一次電圧制御と二次電力制御(二次抵抗を調整する)があります。
したがって、(5)が正解です。