電験三種 電験三種の過去問解説

【ヒント掲載で使い易い】電験三種(機械)の過去問題集2019★動画と図でやさしく解説

2019年10月28日

電験三種の過去問解説(機械):2019年(令和元年)問13
周波数伝達関数の式(計算)

図1に示すR-L回路において、端子a-a'間に5Vの階段状のステップ電圧v1(t)[V]を加えたとき、抵抗R2[Ω]に発生する電圧をv2(t)[V]とすると、v2(t)は図2のようになった。この回路のR1[Ω]、R2[Ω]及びL[H]の値と、入力をv1(t)、出力をv2(t)としたときの周波数伝達関数G(jω)の式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

2019年の第三種電気主任技術者試験で機械科目問13で出題されたステップ電圧と出力を表す図

  R1 R2 L G(jω)
(1) 80 20 0.2 \(\displaystyle\frac{0.5}{1+j0.2ω}\)
(2) 40 10 1.0 \(\displaystyle\frac{0.5}{1+j0.02ω}\)
(3) 8 2 0.1 \(\displaystyle\frac{0.2}{1+j0.2ω}\)
(4) 4 1 0.1 \(\displaystyle\frac{0.2}{1+j0.02ω}\)
(5) 0.8 0.2 1.0 \(\displaystyle\frac{0.2}{1+j0.2ω}\)

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター

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注意ポイント

R1、R2、Lは電験三種の知識では求められないので、周波数伝達関数G(jω)を表す式を求めましょう。

2019年の第三種電気主任技術者試験で機械科目問13で出題されたステップ電圧と出力を表す図に電流と時定数を記入した図2

周波数伝達関数

\(G(jω)=\displaystyle\frac{v_2}{v_1}\)

時定数を求める式

\(τ=\displaystyle\frac{L}{R_1+R_2}\)


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過去問解説

問題を見ると、R1、R2、Lの値を求めたくなると思いますが、電験三種の知識では求められません

 

そこで、周波数伝達関数G(jω)の式を求めていきましょう。ちなみに、基本式は下記で表されます。

周波数伝達関数

\(G(jω)=\displaystyle\frac{v_2}{v_1}\)

2019年の第三種電気主任技術者試験で機械科目問13で出題されたステップ電圧と出力を表す図に電流と時定数を記入した図2

回路を流れる電流をIとすると、電圧v1、v2は下記式で表せます。

\(v_1=(R_1+R_2+jωL)I\)

\(v_2=R_2I\)

 

これらを周波数伝達関数の式に代入すると、

\(G(jω)=\displaystyle\frac{R_2I}{(R_1+R_2+jωL)I}\)

     \(=\displaystyle\frac{R_2}{R_1+R_2+jωL}・・・①式\)

となります。

 

図2より、v2は十分時間が経過すると1Vになることがわかるので、R1の電圧vR1

\(v_{R1}=5-1=4[V]\)

となります。

 

分圧比の関係から、

\(R_1:R_2=v_{R1}:v_2\)

\(R_1:R_2=4:1\)

    \(R_1=4R_2・・・②式\)

となります。

 

次に、時定数τは下記式で求められます。

時定数を求める式

\(τ=\displaystyle\frac{L}{R_1+R_2}\)

2019年の第三種電気主任技術者試験で機械科目問13で出題されたステップ電圧と出力を表す図に電流と時定数を記入した図2

図2よりτ=0.02であることがわかるので、

 \(0.02=\displaystyle\frac{L}{R_1+R_2}\)

 \(0.02=\displaystyle\frac{L}{4R_2+R_2}\)

\(\displaystyle\frac{L}{5R_2}=0.02\)

   \(L=0.1R_2・・・③式\)

となります。

 

ここで、①式に②式と③式を代入しましょう。

\(G(jω)=\displaystyle\frac{R_2}{4R_2+R_2+jω0.1R_2}\)

     \(=\displaystyle\frac{R_2}{5R_2+jω0.1R_2}\)

     \(=\displaystyle\frac{1}{5+j0.1ω}\)

     \(=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{1}{5}}{\displaystyle\frac{5}{5}+j\displaystyle\frac{0.1}{5}ω}\)

     \(=\displaystyle\frac{0.2}{1+j0.02ω}\)

 

したがって、(4)が正解です。

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