電験三種 電験三種の過去問解説

【ヒント掲載で使い易い】電験三種(機械)の過去問題集2019★動画と図でやさしく解説

2019年10月28日

電験三種の過去問解説(機械):2019年(令和元年)問3
三相誘導電動機の効率(計算)

4極の三相誘導電動機が60Hzの電源に接続され、出力5.75kW、回転速度1656min-1で運転されている。このとき、一次銅損、二次銅損及び鉄損の三つの損失の値が等しかった。このときの誘導電動機の効率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、その他の損失は無視できるものとする。

(1)76.0 (2)77.8 (3)79.3 (4)80.6 (5)88.5

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター

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誘導電動機の効率

\(η=\displaystyle\frac{P_o}{P_o+P_i+P_{C1}+P_{C2}}×100[\%]\)

\(P_o:機械的出力\)
\(P_i:鉄損\)
\(P_{C1}:一次銅損\)
\(P_{C2}:二次銅損\)

すべりと同期速度

\(s=\displaystyle\frac{N_s-N}{N_s}\)

\(N_s=\displaystyle\frac{120}{p}f\)

\(N_s:同期速度\)
\(N:回転子速度\)
\(p:極数\)
\(f:周波数\)


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過去問解説

誘導電動機の効率は下記式で求められます。

誘導電動機の効率

\(η=\displaystyle\frac{P_o}{P_o+P_i+P_{C1}+P_{C2}}×100[\%]\)

\(P_o:機械的出力\)
\(P_i:鉄損\)
\(P_{C1}:一次銅損\)
\(P_{C2}:二次銅損\)

機械的出力Poは5.75[kW]と記載されているため、鉄損と一次銅損と二次銅損を求めて代入しましょう。

 

二次銅損PC2の算出

問題文より、一次銅損、二次銅損及び鉄損の値が等しいと記述されているので、下記式を用いて二次銅損PC2を求めましょう。

機械的出力と二次銅損の関係

\(P_{C2}:P_o=s:1-s\)

    \(P_{C2}=\displaystyle\frac{sP_o}{1-s}\)

すべりと同期速度

\(s=\displaystyle\frac{N_s-N}{N_s}\)

\(N_s=\displaystyle\frac{120}{p}f\)

\(N_s:同期速度\)
\(N:回転子速度\)
\(p:極数\)
\(f:周波数\)

 

先ずは同期速度を求めます。

\(N_s=\displaystyle\frac{120}{p}f\)

  \(=\displaystyle\frac{120}{4}×60\)

  \(=1800[min^{-1}]\)

 

続いて、同期速度をすべりの式に代入します。

\(s=\displaystyle\frac{N_s-N}{N_s}\)

 \(=\displaystyle\frac{1800-1656}{1800}\)

 \(=0.08\)

 

したがって、二次銅損は

\(P_{C2}=\displaystyle\frac{sP_o}{1-s}\)

    \(=\displaystyle\frac{0.08×5750}{1-0.08}\)

    \(=500[W]\)

となります。

 

ポイント

問題文より、一次銅損、二次銅損及び鉄損の値が等しい

\(P_{C2}=P_{C1}=P_i=500[W]\)

 

効率の式に、求めた損失の値と機械的出力を代入しましょう。

\(η=\displaystyle\frac{5750}{5750+500+500+500}×100\)

 \(=79.3[\%]\)

 

したがって、(3)が正解です。

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