電験三種 電験三種の過去問解説

【ヒント掲載で使い易い】電験三種(機械)の過去問題集2019★動画と図でやさしく解説

2019年10月28日

電験三種の過去問解説(機械):2019年(令和元年)問7
電気機器の損失(穴埋)

次の文章は、電気機器の損失に関する記述である。

a  コイルの電流とコイルの抵抗によるジュール熱が \(\fbox{ (ア) }\) であり、この損失を低減するため、コイルを構成する電線の断面積を大きくする。
 交流電流が並列コイルに分かれて流れると、並列コイル間の電流不平衡からこの損失が増加する。この損失を低減するため、並列回路を構成する各コイルの鎖交磁束と抵抗値、すなわち、各コイルのインピーダンスを等しくする。

b  鉄心に交流磁束が通ると損失が発生する。その成分は \(\fbox{ (イ) }\) と \(\fbox{ (ウ) }\) の二つに分類される。前者は、交流磁束によって誘導された電流が鉄心を流れてジュール熱として発生する。そこで、電気抵抗が高い強磁性材料や、表面を絶縁膜で覆った薄い鉄板を積層した積層鉄心を磁気回路に用いて、電流の経路を断つことで損失を低減する。後者は、鉄心の磁束が磁界の履歴に依存するために発生する。この \(\fbox{ (ウ) }\) を低減するために電磁鋼板が磁気回路に広く用いられている。

c  上記の電磁気要因の損失のほか、電動機や発電機では、回転子の運転による軸受け摩擦損や冷却ファンの空気抵抗による損失などの \(\fbox{ (エ) }\) がある。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) 銅損 渦電流損 ヒステリシス損 機械損
(2) 鉄損 抵抗損 ヒステリシス損 銅損
(3) 銅損 渦電流損 インダクタンス損 機械損
(4) 鉄損 機械損 ヒステリシス損 銅損
(5) 銅損 抵抗損 インダクタンス損 機械損

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター


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過去問解説

(ア):銅損

銅損はコイルを流れる電流によって生じるジュール熱です。

銅損低減

断面積Sを大きくする\(R=\displaystyle\frac{ρℓ}{S}\)

・(交流電流が並列コイルに流れる場合)各コイルのインピーダンスを等しくする

 

(イ):渦電流損

(ウ):ヒステリシス損

鉄損は、渦電流損とヒステリシス損の2つからなります。

渦電流損の低減

・電気抵抗が高い強磁性材料を用いる

表面を絶縁膜で覆った薄い鉄板を積層した鉄心を用いる

 

(エ):機械損

機械損には、回転子運動による軸受け摩擦損や、冷却ファンの空気抵抗損がある。

 

したがって、(1)が正解です。

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