電験三種2020理論問1過去問解説

電験三種 電験三種の過去問解説

電験三種(理論)の過去問解説:2020年問1【電界中の電位差(計算)】

2020年12月9日

令和2年度(2020年):第三種電気主任技術者試験(理論)問1

図のように、紙面に平行な平面内の平等電界\(E[V/m]\)中で2Cの点電荷を点Aから点Bまで移動させ、さらに点Bから点Cまで移動させた。この移動に、外力による仕事\(W=14J\)を要した。点Aの電位に対する点Bの電位\(V_{BA}[V]\)の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、点電荷の移動はゆっくりであり、点電荷の移動によってこの平等電界は乱れないものとする。

電験三種2020理論問1の平等電界図

(1)5 (2)7 (3)10 (4)14 (5)20

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター

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電界中の電位

\(V_{BA}=E×r[V]\)

E:電界[V/m]

r:点間距離[m]

電荷の移動による仕事

\(W=F×s[J]\)

F:力[N]

s:移動距離[m]

電界中の電荷に働く力

\(F=Q×E[N]\)

Q:電荷[C]

E:電界[V/m]

動画解説

過去問解説記事(2020年理論問1)

点Aの電位に対する点Bの電位\(V_{BA}[V]\)の値は下記式で求められます

電界中の電位

\(V_{BA}=E×r[V]\)

E:電界[V/m]

r:点間距離[m]

 

AB間の距離\(r=1.0[m]\)ですが、電界\(E\)の値を求めて代入しましょう

 

電界中で点電荷を移動させた際の仕事は下記式で求められます

電荷の移動による仕事

\(W=F×s[J]\)

F:力[N]

s:移動距離[m]

 

次に、電界中の電荷に働く力は下記式で求められます

電界中の電荷に働く力

\(F=Q×E[N]\)

Q:電荷[C]

E:電界[V/m]

 

仕事の公式に力の式を代入すると、

\(W=Q×E×s\)

\(E=\displaystyle\frac{W}{Q×s}\)

と表せます。

 

電界中を電荷が移動した距離sは、電界に対して垂直方向の移動は無視できます

水平方向のみ考慮すると、

\(s=1-0.3=0.7[m]\)

となります。

したがって、電界Eの値は

\(E=\displaystyle\frac{W}{Q×s}\)

  \(=\displaystyle\frac{14}{2×0.7}\)

  \(=10[V/m]\)

 

よって、点Aの電位に対する点Bの電位\(V_{BA}[V]\)の値は

\(V_{BA}=E×r\)

    \(=10×1\)

    \(=10[V]\)

したがって、(3)が正解です。

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