電験三種の過去問解説(電力):2018年(平成30)問3
汽力発電所の蒸気タービン設備(論説)
汽力発電所の蒸気タービン設備に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)衝動タービンは、蒸気が回転羽根(動翼)に衝突するときに生じる力によって回転させるタービンである。
(2)調速装置は、蒸気加減弁駆動装置に信号を送り、蒸気流量を調整することで、タービンの回転速度制御を行う装置である。
(3)ターニング装置は、タービン停止中に高温のロータが曲がることを防止するため、ロータを低速で回転させる装置である。
(4)反動タービンは、固定羽根(静翼)で蒸気を膨張させ、回転羽根(動翼)に衝突する力と回転羽根(動翼)から排気するときの力を利用して回転させるタービンである。
(5)非常調速装置は、タービンの回転速度が運転中に定格回転速度以下となり、一定値以下まで下降すると作動して、タービンを停止させる装置である。
出典元:一般財団法人電気技術者試験センター
スポンサーリンク
過去問のポイント
衝動タービンと反動タービンの回転原理、タービン設備(調速装置、ターニング装置、非常調速装置)に関する知識があれば解くことができます。
ターニング装置については一部の参考書には詳細が記載されていませんので、この過去問で機能をしっかりと学びましょう♪
問題を解くポイント
- (1)衝動タービンの回転原理
- (2)調速装置とは
- (3)ターニング装置とは
- (4)反動タービンの回転原理
- (5)非常調速装置とは
衝動タービンの回転原理
衝動タービンの回転原理
蒸気が回転羽根(動翼)に衝突するときに生じる力によって回転させるタービン
よって、(1)の記述は正しいです。
調速装置とは
調速装置
蒸気加減弁駆動装置に信号を送り、蒸気流量を調整することで、タービンの回転速度制御を行う装置
よって、(2)の記述は正しいです。
ターニング装置とは
ターニング装置
タービン停止中にロータを低速で回転させる装置
よって、(3)の記述は正しいです。
ローターを回転させる目的は、高温のロータが曲がることを防止するためです。過去問学習に余裕ができたら覚えておきましょう。
反動タービンの回転原理
反動タービンの回転原理
固定羽根(静翼)で蒸気を膨張させ、回転羽根(動翼)に衝突する力と回転羽根(動翼)から排気するときの力を利用して回転させるタービン
よって、(4)の記述は正しいです。
非常調速装置とは
非常調速装置
タービンの回転速度が運転中に定格回転速度の111[%]以上に上昇すると作動して、タービンを停止させる装置
よって、(5)の記述は誤りです。
スポンサーリンク
過去問をベースにしたオリジナル問題
空白部以外の箇所が問われる可能性があります。
過去問をベースにしたオリジナル問題を作成しているので、違った視点で勉強したい方はご活用下さい。
-
【全問正解できるかな?】電験三種(電力)の過去問クイズ2018
続きを見る