電験三種電力の2018年過去問解説

電験三種 電験三種の過去問解説

【使いやすさNo.1】電験三種(電力)の過去問解説集2018★動画と図でやさしく説明

2019年10月27日

電験三種の過去問解説(電力):2018年(平成30)問12
変圧器のV結線方式(論説)

変圧器のV結線方式に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)単相変圧器2台で三相が得られる。

(2)同一の変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合、Δ結線変圧器と比較して、出力は\(\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}\)倍となる。

(3)同一の変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合、変圧器の利用率は\(\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}\)となる。

(4)電灯動力共用方式の場合、共用変圧器には電灯と動力の電流が加わって流れるため、一般に動力専用変圧器の容量と比較して共用変圧器の容量の方が大きい。

(5)単相変圧器を用いたΔ結線方式と比較して、変圧器の電柱への設置が簡素化できる。

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター


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過去問のポイント

V結線方式の構成と、特徴(出力、利用率、設置)など幅広い知識が必要です。

問題自体はパッと見で2択だろうな…と想像できますが、設置など参考書に記載されていない内容は追記しておきましょう。

問題を解くポイント

  • V結線とは(1)
  • Δ結線とV結線の出力(2)
  • V結線の利用率(3)
  • 電灯動力共用変圧器とは(4)
  • 変圧器の設置性(5)

V結線とは

V結線

単相変圧器2台で三相が得られる結線


したがって、(1)の記述は正しいです。

Δ結線とV結線の出力

V結線の三相出力

\(P_V=\sqrt{3}P_n\)


Δ結線の三相出力

\(P_Δ=3P_n\)


V結線の出力をΔ結線出力と比較した場合、

\(\displaystyle\frac{P_V}{P_Δ}=\displaystyle\frac{\sqrt{3}P_n}{3P_n}=\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{3}\)

したがって、(2)の記述は誤りです。

V結線の利用率

V結線の三相出力

\(P_V=\sqrt{3}P_n\)


(V結線の変圧器容量の合計

\(2P_n\)


V結線の利用率は、(V結線の三相出力)÷(V結線の変圧器容量の合計)で求めることができます。

\(\displaystyle\frac{\sqrt{3}P_n}{2P_n}=\displaystyle\frac{3}{2}\)

したがって、(3)の記述は正しいです。

電灯動力共用変圧とは

電灯動力共用変圧器

電灯と動力の電流が加わって流れる変圧器。
一般に動力専用変圧器の容量と比較して共用変圧器の容量の方が大きい。


したがって、(4)の記述は正しいです。



動力だけでなく電灯の電流が加わるので、変圧器容量が大きくなることを容易に想像できた方は、良い感じに勉強できていますね。

変圧器の設置性

設置性について、わざわざ記載しない参考書もあると思います。

変圧器の数

・V結線…変圧器2台
・Δ結線…変圧器3台


V結線の方が変圧器が少ない分、設置が容易だろう…といった感じで想像できれば大丈夫です♪

したがって、(5)の記述は正しいです。

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