電験三種 電験三種の過去問解説

【使いやすさNo.1】電験三種(電力)の過去問解説集2017★動画と図でやさしく説明

2019年10月26日

電験三種の過去問解説(電力):2017年(平成29)問4
原子力発電に用いられるウラン235の量(計算)

原子力発電に用いられるM[g]のウラン235を核分裂させたときに発生するエネルギーを考える。ここで想定する原子力発電所では、上記エネルギーの30%を電力量として取り出すことができるものとし、この電力量をすべて使用して、揚水発電所で揚水できた水量は90000m3であった。このときのMの値[g]として、最も近い値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、揚水式発電所の揚程は240m、揚水時の電動機とポンプの総合効率は84%とする。また、原子力発電所から揚水式発電所への送電で生じる損失は無視できるものとする。

なお、計算には必要に応じて次の数値を用いること。
 核分裂時のウラン235の質量欠損0.09%
 ウランの原子番号92
 真空中の光の速度\(3.0×10^8m/s\)

(1)0.9 (2)3.1 (3)7.3 (4)8.7 (5)10.4

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター

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原子力発電エネルギーの公式

\(E=mc^2[J]\)

揚水電力の公式

\(P_P=\displaystyle\frac{9.8Q_P×H}{η_Pη_M}[kW]\)


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過去問のポイント

揚水発電と原子力発電でそれぞれ求めた電力の単位に注意しながら計算しましょう。

step
1
原子力発電エネルギー

原子力発電エネルギーの公式

\(E=mc^2[J]\)

注意ポイント(単位)

\(m[kg]:質量欠損0.09%\)

つまり、\(m[kg]=M[g]×10^{-3}×0.0009\)

原子力発電エネルギーの公式に各値を代入します。

\(E=M×10^{-3}×0.0009×(3×10^8)^2[J]\)

  \(=81M×10^{9}[J]\)

  \(=81M×10^{6}[kJ]\)

問題文より、エネルギーの30%を電力量として取り出すことができるので、

\(W=0.3×E\)

   \(=0.3×81M×10^{6}\)

   \(=24.3M×10^{6}[kJ]\)

step
2
揚水電力

揚水電力の公式

\(P_P=\displaystyle\frac{9.8Q_P×H}{η_Pη_M}[kW]\)

注意ポイント

揚水量の単位は\([m^3/s]\)なので、水量は\(90000m^3\)を\(t[s]\)で割った

\(\displaystyle\frac{90000}{t}[m^3/s]\)

を公式に代入しましょう。

揚水電力の公式に各値を代入します。

\(P_P=\displaystyle\frac{9.8×\frac{90000}{t}×240}{0.84}\)

    \(=\displaystyle\frac{9.8×90000×240}{0.84t}\)

    \(=\displaystyle\frac{252×10^6}{t}[kW]\)

step
3
単位を揃えて計算

各単位

・原子力発電エネルギーから取り出した電力量
 \(W=24.3M×10^{6}[kJ]\)

・揚水電力
 \(P_P=\displaystyle\frac{252×10^6}{t}[kW]\)

求めた電力の単位が異なるので、揚水電力にt[s]をかけて[kJ]に変換しましょう。

\(P_P×t=\displaystyle\frac{252×10^6}{t}×t\)

      \(=252×10^6[kW・s]\)

      \(=252×10^6[kJ]\)

単位が揃えられたので、

       \(W=P_P×t\)

\(24.3M×10^{6}=252×10^6\)

       \(M=\displaystyle\frac{252×10^6}{24.3×10^6}\)

        \(=10.4[g]\)

したがって、(5)が正解です。

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