電験三種 電験三種の過去問解説

【使いやすさNo.1】電験三種(電力)の過去問解説集2017★動画と図でやさしく説明

2019年10月26日

電験三種の過去問解説(電力):2017年(平成29)問10
交流地中送電線路に使用される電力ケーブルの損失(論説)

交流の地中送電線路に使用される電力ケーブルで発生する損失に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)電力ケーブルの許容電流は、ケーブル導体温度がケーブル絶縁体の最高許容温度を超えない上限の電流であり、電力ケーブル内での発生損失による発熱量や、ケーブル周囲環境の熱抵抗、温度などによって決まる。

(2)交流電流が流れるケーブル導体中の電流分布は、表皮効果や近接効果によって偏りが生じる。そのため、電力ケーブルの抵抗損では、ケーブルの交流導体抵抗が直流導体抵抗よりも増大することを考慮する必要がある。

(3)交流電圧を印加した電力ケーブルでは、電圧に対して同位相の電流成分がケーブル絶縁体に流れることにより誘電体損が発生する。この誘電体損は、ケーブル絶縁体の誘電率と誘電正接との積に比例して大きくなるため、誘電率及び誘電正接の小さい絶縁体の採用が望まれる。

(4)シース損には、ケーブルの長手方向に金属シースを流れる電流によって発生するシース回路損と、金属シース内の渦電流によって発生する渦電流損とがある。クロスボンド接地方式の採用はシース回路損の低減に効果があり、導電率の高い金属シース材の採用は渦電流損の低減に効果がある。

(5)電力ケーブルで発生する損失のうち、最も大きい損失は抵抗損である。抵抗損の低減には、導体断面積の大サイズ化のほかに分割導体、素線絶縁導体の採用などの対策が有効である。

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター


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過去問のポイント

電力ケーブルの許容電流、交流導体抵抗、抵抗損については比較的簡単な記述でしたが、誘電体損とシース損については悩んだ方も多いかもしれませんね。

覚えるべき情報量が多いため、一度に覚えるのが大変な方は、何度か繰り返し問題を解いて時間をかけて覚えていきましょう♪

問題を解くポイント

  • 電力ケーブルの許容電流(1)
  • 交流導体抵抗(2)
  • ケーブル絶縁体の誘電体損(3)
  • シース損(4)
  • 抵抗損(5)

電力ケーブルの許容電流

電力ケーブルの許容電流

ケーブル導体温度がケーブル絶縁体の最高許容温度を超えない上限の電流

<決定要因>

・ケーブル内での発生損失による発熱量

・ケーブル周囲環境の熱抵抗、温度など

したがって、(1)の記述は正しいです。

交流導体抵抗

交流導体抵抗

交流電流が流れるケーブル導体中の電流分布は、表皮効果や近接効果によって偏りが生じる…

つまり、ケーブルの交流導体抵抗が直流導体抵抗よりも増大する

したがって、(2)の記述は正しいです。

 

ちなみに、表皮効果は下図のイメージです。

図をみてわかるとおり、電線表面に電流が集中するため、太い断面積のケーブル用いてもせっかくの断面積を活かせていません。

小さい断面で流れるため、抵抗損が増大します。

ケーブル絶縁体の誘電体損

ケーブル絶縁体の誘電体損

交流電圧を印加した電力ケーブルで、電圧に対して同位相の電流成分がケーブル絶縁体に流れることにより発生する。

<誘電体損の特徴>

・ケーブル絶縁体の誘電率誘電正接との積に比例して大きくなる
 (誘電率及び誘電正接の小さい絶縁体の採用が望まれる)

したがって、(3)の記述は正しいです。

シース損

シース損

シース損は2種類あります。

・ケーブルの長手方向に金属シースを流れる電流によって発生するシース回路損

・金属シース内の渦電流によって発生する渦電流損

<各種対策>

クロスボンド接地方式の採用(シース回路損の低減)

・導電率の低い金属シース材の採用(渦電流損の低減)

したがって、(4)の記述は誤りです。

抵抗損

抵抗損

電力ケーブルで発生する損失のうち、最も大きい損失

<抵抗損の低減>

・導体断面積の大サイズ化

・分割導体、素線絶縁導体の採用

したがって、(5)の記述は正しいです。

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