電験三種 電験三種の過去問解説

【使いやすさNo.1】電験三種(電力)の過去問解説集2016★動画と図でやさしく説明

2019年10月25日

電験三種の過去問解説(電力):2016年(平成28)問2
水車発電機とタービン発電機の特徴(穴埋)

次の文章は、発電所に用いられる同期発電機である水車発電機とタービン発電機の特徴に関する記述である。

水力発電所に用いられる水車発電機は直結する水車の特性からその回転速度はおおむね\(100min^{-1}~1,200min^{-1}\)とタービン発電機に比べ低速である。したがって、商用周波数50/60Hzを発生させるために磁極を多くとれる \(\fbox{ (ア) }\) を用い、大形機では据付面積が小さく落差を有効に使用できる立軸形が用いられることが多い。タービン発電機に比べ、直径が大きく軸方向の長さが短い。

一方、火力発電所に用いられるタービン発電機は原動機である蒸気タービンと直結し、回転速度が水車に比べ非常に高速なため2極機又は4極機が用いられ、大きな遠心力に耐えるように、直径が小さく軸方向に長い横軸形の \(\fbox{ (イ) }\) を採用し、その回転子の軸及び鉄心は一体の鍛造軸材で作られる。

水車発電機は、電力系統の安定度の面及び負荷遮断時の速度変動を抑える点から発電機の経済設計以上のはずみ車効果を要求される場合が多く、回転子直径がより大きくなり、鉄心の鉄量が多い、いわゆる鉄機械となる。

一方、タービン発電機は、上述の構造のため界磁巻線を施す場所が制約され、大きな出力を得るためには電機子巻線の導体数が多い、すなわち銅量が多い、いわゆる銅機械となる。

鉄機械は、体積が大きく重量が重く高価になるが、短絡比が \(\fbox{ (ウ) }\) 、同期インピーダンスが \(\fbox{ (エ) }\) なり、電圧変動率が小さく、安定度が高く、\(\fbox{ (オ) }\) が大きくなるといった利点をもつ。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 突極機 円筒機 大きく 小さく 線路充電容量
(2) 円筒機 突極機 大きく 小さく 線路充電容量
(3) 突極機 円筒機 大きく 小さく 部分負荷効率
(4) 円筒機 突極機 小さく 大きく 部分負荷効率
(5) 突極機 円筒機 小さく 大きく 部分負荷効率

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター


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過去問のポイント

水力発電所と火力発電所で用いられる発電機については、電力だけでなく機械でも問われる内容なので、しっかり覚えておきましょう。

問題を解くポイント

  • 発電機の特徴
  • 鉄機械と銅機械

発電機の特徴

水車発電機 タービン発電機
突極機 円筒機
極数が多い 極数が少ない
立軸形 横軸形
直径が大きい 直径が小さい
軸方向の長さが短い 軸方向の長さが長い
回転速度が低速 回転速度が高速
鉄機械 銅機械

覚えるべき特徴が多いので、今回空白にされた箇所以外についても、覚えておくことをオススメします。

鉄機械と銅機械

  鉄機械 銅機械
短絡比 大きい 小さい
同期インピーダンス 小さい 大きい
電圧変動率 小さい 大きい
安定度 高い 低い
線路充電容量 大きい 小さい

鉄機械と銅機械では、特性が真逆です。

両方覚えると知識が曖昧になってしまうので、どちらか一方の特性を覚えておくことをオススメします。

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空白部以外の箇所が問われる可能性があります。
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