電験三種の過去問解説(電力):2016年(平成28)問11
地中配電線路に用いられる機器の特徴(論説)
地中配電線路に用いられる機器の特徴に関する記述a~eについて、誤っているものの組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
a 現在使用されている高圧ケーブルの主体は、架橋ポリエチレンケーブルである。
b 終端接続材料のがい管は、磁器製のほか、EPゴムやエポキシなど樹脂製のものもある。
c 直埋変圧器(地中変圧器)は、変圧器孔を地下に設置する必要があり、設置コストが大きい。
d 地中配電線路に用いられる開閉器では、ガス絶縁方式は採用されない。
e 高圧需要家への供給用に使用される供給用配電箱には、開閉器のほかに供給用の変圧器がセットで収納されている。
(1) a
(2) b,e
(3) c,d
(4) d,e
(5) b,c,e
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過去問のポイント
このタイプの論説問題は難易度が高いです。
また、bとeについては、記載のない参考書もあるため、正解率はかなり低いと思います。
問題を解くポイント
- 架橋ポリエチレンケーブルとは(a)
- 終端接続材料のがい管材料(b)
- 直埋変圧器の変圧器孔(c)
- ガス絶縁開閉装置とは(d)
- 供給用配電箱とは(e)
架橋ポリエチレンケーブルとは
架橋ポリエチレンケーブル
現在使用されている高圧ケーブルで主体
したがって、aの記述は正しいです。
また、今回問われていない架橋ポリエチレンケーブルの特徴を覚えておくこともオススメします。
架橋ポリエチレンケーブルの特徴
・絶縁物の比誘電率が小さい
・充電電流や誘電体損失が小さい
・最高許容温度が90℃と高い ➡ 許容電流が大きい
終端接続材料のがい管材料
終端接続材料のがい管材料
磁器製のほか、EPゴムやエポキシなど樹脂製のものもある
したがって、bの記述は正しいです。
直埋変圧器の変圧器孔
直埋変圧器の変圧器孔
変圧器孔を地下に設置する必要があり、設置コストが大きい
したがって、cの記述は正しいです。
ガス絶縁開閉装置とは
ガス絶縁方式
地中配電線路に用いられる開閉器に採用される
したがって、dの記述は誤りです。
ガス絶縁開閉方式は特徴が多いので、どの特徴が問われても対応できるようになりましょう。
ガス絶縁開閉装置の特徴
・金属製容器に遮断器、断路器、避雷器、変流器、母線、接地装置等の機器を収納し、絶縁ガスを充てんした装置
・絶縁ガスは、六フッ化硫黄ガス
・塩害、塵埃等外部の影響を受けにくい
・コンパクトに製作できる(変電設備の縮小化)
・据付け作業工期を短くできる
供給用配電箱とは
供給用配電箱
高圧需要家への供給用に使用される供給用配電箱には、開閉器のほかに供給用の変圧器がセットで収納されない
したがって、eの記述は誤りです。
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空白部以外の箇所が問われる可能性があります。
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