電験三種の過去問解説(機械):2019年(令和元年)問10
単相サイリスタ整流回路とは(穴埋)
次の文章は、単相サイリスタ整流回路に関する記述である。
図1に
は純抵抗負荷に接続された単相サイリスタ整流回路を示し、T1~ T4のサイリスタはオン電圧降下を無視できるものとする。また、 図1中の矢印の方向を正とした交流電源の電圧\(v=Vsinωt[ V]\)及び直流側電圧\(v_d\)の波形をそれぞれ破線及び実線で図2に示 す。 図2に示した交流電圧の位相において、π<ωt<2πの位相
で同時にオン信号を与えるサイリスタは \(\fbox{ (ア) }\) である。 交流電圧1サイクルの中で、例えばサイリスタT4からT
2へ導通するサイリスタが換わる動作を考える。T4がオンしてい る状態から位相πで電流が零になると、T4がオフ状態となる。 その後、制御遅れ角αを経てT2にオン信号を与えると、電流がT 2に流れる。このとき既に電流が零になったT4には、交流電圧v が \(\fbox{ (イ) }\) として印加される。すなわち、 \(\fbox{ (ウ) }\) であるサイリスタは、極性が変わる交流電圧を利用してターンオフ することができる。 次に交流電圧と直流側電圧の関係について考え
る。サイリスタT2とT3がオンしている期間は交流電源の \(\fbox{ (エ) }\) と直流回路のN母線が同じ電位になるので、このときの直流側電圧\(v_d\)は \(\fbox{ (オ) }\) と等しくなる。 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、
(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) T2とT3 順電圧 オン制御デバイス A端子 交流電圧の逆方向電圧-v (2) T1とT4 逆電圧 オン制御デバイス B端子 交流電圧v (3) T2とT3 逆電圧 オン制御デバイス A端子 交流電圧の逆方向電圧-v (4) T1とT4 順電圧 オンオフ制御デバイス B端子 交流電圧の逆方向電圧-v (5) T2とT3 逆電圧 オンオフ制御デバイス B端子 交流電圧v
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過去問解説
(ア):T2とT3
交流電源の電圧は正と負を交互に繰り返し、正の時と負の時では電流の流れ方が異なります。
正の場合:T1とT4がオン
負の場合:T2とT3がオン
(イ):逆電圧
(ウ):オン制御デバイス
サイリスタ
オン制御デバイス
➡順電圧がかかると電流が流れる
➡逆電圧がかかると電流が流れない
(エ):A端子
(オ):交流電圧の逆方向電圧-v
T2とT3がオン時の直流側電圧\(v_d\)は交流電圧の逆方向電圧-vと等しくなります。
また、図を見てわかる通り、『A端子とN母線』『B端子とP母線』が同じ電位になります。