電験三種電力の2018年過去問解説

電験三種 電験三種の過去問解説

【使いやすさNo.1】電験三種(電力)の過去問解説集2018★動画と図でやさしく説明

2019年10月27日

電験三種の過去問解説(電力):2018年(平成30)問9
架空送電線の多導体方式(穴埋)

次の文章は、架空送電線の多導体方式に関する記述である。

送電線において、1相に複数の電線を \(\fbox{ (ア) }\) を用いて適度な間隔に配置したものを多導体と呼び、主に超高圧以上の送電線に用いられる。多導体を用いることで、電線表面の電位の傾きが \(\fbox{ (イ) }\) なるので、コロナ開始電圧が \(\fbox{ (ウ) }\) なり、送電線のコロナ損失、雑音障害を抑制することができる。

多導体は合計断面積が等しい単導体と比較すると、表皮効果が \(\fbox{ (エ) }\) 。また、送電線の \(\fbox{ (オ) }\) が減少するため、送電容量が増加し系統安定度の向上につながる。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) スペーサー 大きく 低く 大きい インダクタンス
(2) スペーサー 小さく 高く 小さい 静電容量
(3) シールドリング 大きく 高く 大きい インダクタンス
(4) スペーサー 小さく 高く 小さい インダクタンス
(5) シールドリング 小さく 低く 大きい 静電容量

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター


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過去問のポイント

多導体方式の特徴を理解していないと解けない問題なので、さらっと参考書を読んだだけの方には難易度が高いです。

今回穴埋めで出題されていない部分にも重要な出題要素が含まれているので、この問題を丸々暗記しても良いくらいオススメできる問題です!

問題を解くポイント

  • 多導体方式とは(ア)
  • 多導体方式の特徴(イ、ウ、エ、オ)
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多導体方式とは

多導体方式

1相に複数の電線をスペーサーを用いて適度な間隔に配置したもの


したがって、(ア)はスペーサが選択されます。

スペーサーとシールドリングの違いは覚えておくことをオススメします。

スペーサ:電線を適度な間隔に配置するもの
シールドリング:コロナ放電を防止するために設けるもの


多導体方式の特徴

多導体方式の特徴

  • コロナ開始電圧が高くなる(電位の傾きが小さい)
  • コロナ損、雑音障害を抑制できる
  • 表皮効果が小さい
  • 系統安定度向上
    (送電線インダクタンス減少送電容量増加)

表皮効果

導体内の表面部分に電流が集中する現象


図を見てわかる通り、単導体はせっかく太い導体を使用しても、表面しか電流が流れないため、抵抗が大きくなってしまいます

一方、多導体は電流が流れる表面積を増やすことができるので、抵抗を抑制できます。

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過去問をベースにしたオリジナル問題

空白部以外の箇所が問われる可能性があります。
過去問をベースにしたオリジナル問題を作成しているので、違った視点で勉強したい方はご活用下さい。

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