電験三種 電験三種の過去問解説

【使いやすさNo.1】電験三種(電力)の過去問解説集2016★動画と図でやさしく説明

2019年10月25日

電験三種の過去問解説(電力):2016年(平成28)問15
汽力発電所のタービン効率と発電機効率(計算)

図は、あるランキンサイクルによる汽力発電所のP-V線図である。この発電所が、A点の比エンタルピー\(140kJ/kg\)、B点の比エンタルピー\(150kJ/kg\)、C点の比エンタルピー\(3380kJ/kg\)、D点の比エンタルピー\(2560kJ/kg\)、蒸気タービンの使用蒸気量\(100t/h\)、蒸気タービン出力\(18MW\)で運転しているとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) タービン効率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)58.4 (2)66.8 (3)79.0 (4)95.3 (5)96.7

(b) この発電所の送電端電力16MW、所内比率5%のとき、発電機効率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)84.7 (2)88.6 (3)88.9 (4)89.2 (5)93.6

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター

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イラストを描きながら解くと、頭の中が整理されて解きやすいかもしれません。


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過去問のポイント

汽力発電所に関する問題は、穴埋め/論説/計算の3パターンがあります。

公式を暗記することも大切ですが、汽力発電所の簡易的なイラストを描けるようになっておくと、必要な設備に関する問題に対応できるだけでなく、計算過程が見えてくるのでオススメです。

(a)タービン効率

タービン効率は入力と出力の関係で求められます。

 

タービン効率

\(η_T=\displaystyle\frac{タービンの機械的出力}{蒸気がタービンに与えるエネルギー}×100[\%]\)

 

問題文より、タービンの機械的出力は18MWなので、蒸気がタービンに与えるエネルギーを求めましょう。

 

蒸気がタービンに与えるエネルギー

蒸気がタービンに与えるエネルギー = 比エンタルピー × 使用蒸気量

注意ポイント(比エンタルピーの取り扱い)

タービンの仕事はC ➡ Dの過程(断熱膨張)

 

したがって、蒸気タービンに与えられるエネルギーは、

 

\(P_{in}=(3380-2560)×1.0×10^5\)

  \(=8.2×10^7[kJ/h]\)

  \(=\displaystyle\frac{8.2×10^7}{3600}[kW]\)

  \(=22.78×10^3[kW]\)

タービン効率の公式に求めた数値を代入しましょう

\(η_T=\displaystyle\frac{18×10^3[kW]}{22.78×10^3[kW]}×100\)

   \(=79[\%]\)

したがって、(3)が正解です。

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(b)発電機効率

参考

・送電端電力 = 発電機出力 × (1 - 所内比)

・発電機出力 = タービン出力 × 発電機効率

上記の関係を整理すると、

\(送電端電力 = (タービン出力×発電機効率)×(1-所内比)\)

      \(16=18×η_G×(1-0.05)\)

     \(η_G=\displaystyle\frac{16}{18×0.95}\)

      \(=0.936\)

      \(➡ 93.6[\%]\)

したがって、(5)が正解です。

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