電験三種の過去問解説(電力):2015年(平成27)問13
三相3線式の最大送電電力(計算)
三相3線式と単相2線式の低圧配電方式について、三相3線式の最大送電電力は、単相2線式のおよそ何%となるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、三相3線式の負荷は平衡しており、両低圧配電方式の線路こう長、低圧配電線に用いられる導体材料や導体量、送電端の線間電圧、力率は等しく、許容電流は導体の断面積に比例するものとする。
(1)67 (2)115 (3)133 (4)173 (5)260
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過去問のポイント
問題文
三相3線式の負荷は平衡しており、両低圧配電方式の線路こう長、低圧配電線に用いられる導体材料や導体量、送電端の線間電圧、力率は等しく、許容電流は導体の断面積に比例するものとする
この記述を正しく理解できるようになれば、簡単に解くことができます。
解き方にある程度の慣れが必要なので、今回解けなかった方は何度か繰り返し問題を解いてみましょう。
三相3線式の最大送電電力は、単相2線式のおよそ何%となるかは、分数で表すことができます。
注意ポイント
送電端の線間電圧、力率は等しい
\(\displaystyle\frac{P_3}{P_2}×100[\%]=\displaystyle\frac{\sqrt{3}VI_3cosθ}{VI_2cosθ}×100[\%]\)
\(=\displaystyle\frac{\sqrt{3}I_3}{I_2}×100[\%]\)・・・①式
次に、単相2線式の許容電流\(I_2\)と三相3線式の許容電流\(I_3\)を求めましょう。
問題文より
両低圧配電方式の線路こう長、低圧配電線に用いられる導体材料や導体量は等しく、許容電流は導体の断面積に比例する
線路こう長は等しいので\(ℓ\)、断面積はそれぞれ三相3線式を\(S_3\)、単相2線式を\(S_2\)とします。
そして、導体量は等しいので、
\(3S_3ℓ=2S_2ℓ\)
\(\displaystyle\frac{S_3}{S_2}=\displaystyle\frac{2}{3}\)
と表すことができます。
問題文より
許容電流は導体の断面積に比例する
この記述を式にしましょう。
\(I_3:S_3=I_2:S_2\)
\(I_3S_2=I_2S_3\)
\(\displaystyle\frac{I_3}{I_2}=\displaystyle\frac{S_3}{S_2}=\displaystyle\frac{2}{3}\)
と表せます。
\(\displaystyle\frac{I_3}{I_2}=\displaystyle\frac{2}{3}\)を①式に代入しましょう。
\(\displaystyle\frac{P_3}{P_2}×100[\%]=\displaystyle\frac{\sqrt{3}I_3}{I_2}×100[\%]\)
\(=\sqrt3×\displaystyle\frac{2}{3}×100[\%]\)
\(=115[\%]\)
となり、(2)が正解です。