電験三種の過去問解説(理論):2019年(令和元年)問8
正弦波交流電源と直流電源を流れる電流の実効値(計算)
図の回路において、正弦波交流電源と直流電源を流れる電流Iの実
効値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。ただし、Eaは交流電圧の実効値[V]、 Edは直流電圧の大きさ[V]、Xcは正弦波交流電源に対するコ ンデンサの容量性リアクタンスの値[Ω]、Rは抵抗値[Ω] とする。
(1)10.0 (2)14.1 (3)17.3 (4)20.0 (5)40.0
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過去問解説
直流と交流の2種類の電源があるので、直流電圧Edによる電流\(I_d\)と、交流電圧Eaによる電流\(\dot{I}_a\)の大きさをそれぞれ求めて、実効値を導きましょう。
直流電圧Edによる電流
ポイント
コンデンサ部分に電流が流れない
\(I_d=\displaystyle\frac{E_d}{R}\)
\(=\displaystyle\frac{100}{10}\)
\(=10[A]\)
交流電圧Eaによる電流
\(\dot{I}_a=\displaystyle\frac{E_a}{R}+\displaystyle\frac{E_a}{-jX_c}\)
\(=\displaystyle\frac{100}{10}+j\displaystyle\frac{100}{10}\)
\(=10+j10\)
したがって、\(\dot{I}_a\)の大きさは、
\(I_a=\sqrt{10^2+10^2}=\sqrt{200}\)
ひずみ波の実効値は下記式より求められる。
求め方
・ひずみ波の実効値
\(ひずみ波の実効値=\sqrt{(直流分)^2+(基本波の実効値)^2+(2倍の高調波の実効値)^2+・・・}\)
式に計算して求めた電流値を代入しましょう。
\(I=\sqrt{I_d^2+I_a^2}\)
\(=\sqrt{10^2+(\sqrt{200})^2}\)
\(=\sqrt{100+200}\)
\(=17.3\)
したがって、(3)が正解です。