電験三種の過去問解説(電力):2019年(令和元年)問5
コンバインドサイクル発電(論説)
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)燃焼用空気は、空気圧縮機、燃焼器、ガスタービン、排熱回収ボイラ、蒸気タービンを経て、排ガスとして煙突から排出される。
(2)ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて、起動停止時間が短く、負荷追従性が高い。
(3)ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて、復水器の冷却水量が少ない。
(4)ガスタービン入口温度が高いほど熱効率が高い。
(5)部分負荷に対応するための、単位ユニットの運転台数の増減が可能なため、部分負荷時の熱効率の低下が小さい。
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過去問の解説
発電の分野は、水力、火力、原子力についてしっかり勉強していても、コンバインドサイクルを徹底的に勉強されている方は少ないと思います。
問題としても貴重なので、知らなかった記述内容がありましたら、試験までにキッチリ覚えておきましょう。
問題を解くポイント
- コンバインドサイクル発電とは(1)
- コンバインドサイクル発電の特徴(2)(3)(4)(5)
コンバインドサイクル発電とは
コンバインドサイクル発電
ガスタービン発電所の排熱を汽力発電所の蒸気サイクルに利用することで、総合熱効率を高める方式
図を見てわかる通り、燃焼用空気は空気圧縮機、燃焼器、ガスタービン、排熱回収ボイラを経て、排ガスとして煙突から排出されます。
(燃焼用空気は蒸気タービンを経由していません)
したがって、(1)の記述は誤りです。
コンバインドサイクル発電の特徴
コンバインドサイクル発電の特徴
- 汽力発電所だけよりも熱効率が高い
- 汽力発電所だけよりも冷却水が少ない
- 汽力発電所だけよりも排気量が多い
- 起動・停止時間が短い
- 負荷追従性が高い
- 部分負荷時の熱効率の低下が小さい
- 所内率が小さい(付属設備が少ないため)
- 出力が外気温の影響を受ける
したがって、(2)(3)(4)(5)の記述は正しいです。
今回出題された特徴以外にも、コンバインドサイクル発電は覚えておくべき特徴が多いです。
知らなかったことは、全て覚えて試験当日を迎えましょう♪