電験三種 電験三種の過去問解説

【ヒント掲載で使い易い】電験三種(電力)の過去問題集2019★動画と図でやさしく解説

2019年10月28日

電験三種の過去問解説(電力):2019年(令和元年)問15
汽力発電所のタービン出力と復水器冷却水の温度上昇(計算)

復水器の冷却に海水を使用し、運転している汽力発電所がある。このときの復水器冷却水流量は\(30m^3/s\)、復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は\(3.1×10^9kJ/h\)、海水の比熱容量は\(4.0kJ/(kg・K)\)、海水の密度は\(1.1×10^3kg/m^3\)、タービンの熱消費率は\(8000kJ/(kW・h)\)である。
この運転状態について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視するものとする。

(a)タービン出力の値[MW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)350 (2)500 (3)700 (4)800 (5)1000

(b)復水器冷却水の温度上昇の値[K]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)3.3 (2)4.7 (3)5.3 (4)6.5 (5)7.9

出典元:一般財団法人電気技術者試験センター

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過去問の解説

タービンと発電機、復水器がどのように配置され、タービン入力蒸気熱量とタービン出力、タービン排気蒸気熱量を求められないと解くことができません。

最初のうちは、設備の配置も描けないと思いますので、何度も繰り返し解いて、解き方の手順を習得して下さい。

(a)タービン出力

蒸気の流れは、ボイラ➡タービン➡復水器です。そして、タービンが回って発電するので、下図のように各設備と関係する出力や熱量などを書いて下さい。

 

 

ポイント

タービン排気蒸気熱量と復水器が持ち去る毎時熱量は等しい

 

   \(q_s-3600P_T=3.1×10^9\)

\(8000P_T-3600P_T=3.1×10^9\)

       \(4400P_T=3.1×10^9\)

           \(P_T=\displaystyle\frac{3.1×10^9}{4400}\)

           \(P_T=704545.45[kW]\)

           \(P_T=704.5[MW]\)

したがって、最も近い(3)が正解です。

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(b)復水器冷却水の温度上昇値

復水器冷却水の温度上昇率

復水器が持ち去る毎時熱量 = 流量×比熱×密度×温度上昇×3600

\(3.1×10^9=Q×c×ρ×ΔT×3600\)

   \(ΔT=\displaystyle\frac{3.1×10^9}{Q×c×ρ×3600}\)

   \(ΔT=\displaystyle\frac{3.1×10^9}{30×4×1.1×10^3×3600}\)

   \(ΔT=\displaystyle\frac{3.1×10^9}{0.4752×10^9}\)

   \(ΔT=6.5[K]\)

したがって、(4)が正解です。

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