電験三種の過去問解説(電力):2019年(令和元年)問2
水車の構造と特徴(穴埋)
次の文章は、水車の構造と特徴についての記述である。
\(\fbox{ (ア) }\) を持つ流水がランナに流入し、ここから出るときの反動力による回転する水車を反動水車という。 \(\fbox{ (イ) }\) は、ケーシング(渦形室)からランナに流入した水がランナを出るときに軸方向に向きを変えるように水の流れをつくる水車である。一般に、落差40~500mの中高落差用に用いられている。
プロペラ水車ではランナを通過する流水が軸方向である。ランナには扇風機のような羽根がついている。流量が多く低落差の発電所で使用される。 \(\fbox{ (ウ) }\) はプロペラ水車の羽根を可動にしたもので、流量の変化に応じて羽根の角度を変えて効率がよい運転ができる。
一方、水の落差による \(\fbox{ (ア) }\) を \(\fbox{ (エ) }\) に変えてその流水をランナに作用させる構造のものが衝動水車である。 \(\fbox{ (オ) }\) は、水圧管路に導かれた流水が、ノズルから噴射されてランナバケットに当たり、このときの衝撃力でランナが回転する水車である。高落差で流量の比較的少ない地点に用いられる。
上記の記述中の空白箇所(ア) 、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) 圧力水頭 フランシス水車 カプラン水車 速度水頭 ペルトン水車 (2) 速度水頭 ペルトン水車 フランシス水車 圧力水頭 カプラン水車 (3) 圧力水頭 カプラン水車 ペルトン水車 速度水頭 フランシス水車 (4) 速度水頭 フランシス水車 カプラン水車 圧力水頭 ペルトン水車 (5) 圧力水頭 ペルトン水車 フランシス水車 速度水頭 カプラン水車
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過去問の解説
反動水車と衝動水車の回転原理については、参考書によって表現が若干異なりますが、意味は同じなので、簡単に解けたと思います。
問題を解くポイント
- 反動水車とは(ア)(イ)(ウ)
- 衝動水車とは(エ)(オ)
反動水車とは
反動水車
圧力水頭を持つ流水がランナに流入し、ここから出るときの反動力による回転する水車
<種類>
・フランシス水車
ケーシング(渦形室)からランナに流入した水がランナを出るときに軸方向に向きを変えるように水の流れをつくる水車
・プロペラ水車 ➡ カプラン水車
プロペラ水車の羽根を可動にしたもので、流量の変化に応じて羽根の角度を変えて効率がよい運転ができる
・斜流水車
したがって、(ア)には圧力水頭、(イ)にはフランシス水車、(ウ)にはカプラン水車が入ります。
衝動水車とは
衝動水車
水の落差による圧力水頭を速度水頭に変えてその流水をランナに作用させる構造のもの
・ペルトン水車
水圧管路に導かれた流水が、ノズルから噴射されてランナバケットに当たり、このときの衝撃力でランナが回転する水車
したがって、(エ)には速度水頭、(オ)にはペルトン水車が入ります。
各水車の落差と流量については、参考書によって数値が異なるので、正確に数値を覚える必要はありませんが、関係性については覚えておくことをオススメします。
(*比速度の関係も覚えておくと、さらに良い感じです。)