電験三種の過去問解説(電力):2019年(令和元年)問13
支線の張力は電線の張力の何倍か(計算)
図に示すように、電線A,Bの張力を、支持物を介して支線で受けている。電線A,Bの張力の大きさは等しく、その値をTとする。支線に加わる張力T1は電線張力Tの何倍か。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
なお、支持物は地面に垂直に立てられており、各電線は支線の取付け高さと同じ高さに取り付けられている。また、電線A,Bは地面に水平に張られているものとし、電線A,B及び支線の自重は無視する。
(1)\(\displaystyle\frac{1}{2}\) (2)\(\displaystyle\frac{\sqrt2}{2}\) (3)\(\sqrt2\) (4)\(2\) (5)\(2\sqrt2\)
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過去問の解説
step
1電線Aと電線Bの合成張力
電線Aと電線Bは同一平面上で異なる方向に同じ大きさの張力が生じています。
つまり、45°の直角三角形の三角比の関係が成り立ちます。
\(1:\sqrt2=T:T'\)
\(T'=\sqrt2T\)
step
2支線張力の水平成分
続いて、支線張力の水平成分は\(T_1sin30°\)で表されるので、
\(T_1sin30°=\displaystyle\frac{T_1}{2}\)
step
3支線に加わる張力T1は電線張力Tの何倍か
電線の合成張力と支線張力の水平成分は等しいので、
\(\displaystyle\frac{T_1}{2}=\sqrt2T\)
\(\displaystyle\frac{T_1}{T}=2\sqrt2\)
したがって、(5)が正解です。